きわめて局地的なグルメマップ
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雨の中の猫
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Manjer Bien (マンジェビャン)

洋食 河原町荒神口 交差点南西角
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このお店を紹介している他のサイト
 
 
 
・総点 59  点/100
   
   
27  点/50
   
15  点/20  
   
サービス 7  点/15  
   
対費用効果 10  点/15  
   

 

 
 評価に関する詳細は
「採点基準について」をご覧ください。
 

寸評:満足できないこともありますが、我慢できる範囲のお店です。

 

 

 このお店は開店した頃から知っている。ちょくちょく雑誌などでも取り上げられたため、大手HPの紹介がいくらでもあると期待したのだが見つからなかった。営業情報などを自分で詳しく書くのが面倒なため、そのような情報は他サイトへリンクすることで代えようと思っていたのだが。しかたがないので個人サイトにリンクさせてもらった。

 
  実はこの店のある付近、河原町荒神口を中心にして南は丸太町、北は府立医大病院の範囲にはものすごい数の飲食店が存在している。ランチのある店だけでも優に15はあるだろう。その中で交差点角の間違いなく一番の立地条件で営業しているのがこの店だ。
 客足はよい。この付近でも一番だろう。ランチタイムには外で待つお客が常にいるし、ディナーもたいてい入っている。ただしもともと収客数はあまり多くはない。
 味に関して言えば、なかなかに悪くはない。多くの人は、わたしよりよい点をつけるだろう。質もまあまあよい。ただ全体的に味のイメージがはっきりとしない。たとえそれが受け入れられなくとも、自分が「こういう味がおいしいのだ」と思うものを前面に出す料理人の気概が感じられない。これではただの大量生産のそこそこ「おいしい」料理である。
 なので、いつどの料理を注文しても、結局似たような味のものが出てくる。何を食べても常にこの店のきまりきったいつもの味しかしない。それではメニューを週代わりにする意味もないではないか。
 このぼんやりとした自信のなさのようなものは、この店で提供される料理のジャンルにもあらわれている。いったいこの店は何料理が専門なのか? 洋食、と書くしかなかったのはそのせいだ。ランチのメニューには常にパスタがあるし、ミラノ風カツレツもよく見かける。全体的にイタリア料理の色彩があるのだが、食べてみるにこれはどうもイタリアンではない。それが悪いという意味ではないのだが、味の基礎になっている技術はむしろフレンチのものだ。しかし、これがもしかしたらこの店にある唯一の個性といえないこともないのだが、使っているクリームはフレンチによくあるものではなく、むしろやや薄め、わずかに酸味がかった、イタリアンの一部やスペイン料理などに使われるものだ。それがなじんでいれば個性となるのだが、今のところうすぼんやりとした印象のちぐはぐ感を高めるだけのものとなっている。
 その他のことに関して言えば、ヨーロッパ料理の日本人シェフの大半がそうであるように、肉料理がお粗末である。火の通し方から何から何までなっていない。そしてこれまた日本人シェフの大半がそうであるように小物がうまい。魚料理はけっしてうまいわけではない、少なくともあれをポワレなどとはわたしは認めない、が、たいていの日本人シェフよりは上手である。

 つい厳しいことばかり書いたが、この店には個人的に期待している。というのは、何度食べてみても、この料理人の本領は他のところにあるのではないかという気がするのだ。そして、そちらではなかなかの名手なのではないかという感じがある。上で書いたようなどこの料理ともつかないものになっているのは、おそらく馬鹿な味のわからない客たちにあわせているせいであろう。こじゃれた内装のレストランでイタリアン様あるいはフレンチ様のものを食べていれば、味はどうあれそれだけで彼らは満足するのだ。いっそそんな愚劣な大衆のことなど見限って、自分の作りたいものを作りたいように料理して出してみればどうか。ここのシェフにはわたしはそう伝えてみたい。

(2004/7/14)

 

 

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